あの日

2003年8月6日
16才の春―――
 
 
 
泣きたかった
あの日
あなたに彼女がいると知って
けれどこの気持ちはもう
消すことなんてできなくて

 
 
 
どうすればいいかわからないのに
どうするのが誰も傷つかなくて済むのか知ってた
想いは告げない
それは 私が私と交わした約束
 
 
 

 
16才の夏―――
 
 

ものすごい雨の降ってた放課後
3階の教室の窓から手を伸ばす
気付けば
あなたも隣りにいて 同じように手を伸ばした
濡れた手を あなたが握って
初めて 手と手が触れ合った

 
 
 
どんな瞬間も
私の中ではあなたがいちばん輝いてたけど
優しくされたいのに 優しくしないで欲しかった
これ以上 涙をこらえるのは苦しかった


いつもこらえきれなくて
ひとりで迎える夜は 泣いていた

誰かを想って泣いたのは
あなたが初めて
 
 
 
 

17才になってすぐの秋―――


私は必死だった
あなたを忘れようと 必死だった
それが近道だと思うようにすることで

そうすることで 楽になれると思ってた
 
 
 
 
それからいくつかの恋をした
やっぱり いくらか楽になったの
もう あなたのことで泣かない

そうして あなたは私の心から
いなくなったはずなのに

 
 
 
 
17才の夏―――

 
 
あなたと切れていた関係が
再び 繋がれようとしてた
どうして 突然また私に
メールなんかしてきたんだろう

受験生 夏休み中の講習の後
あなたに誘われて 学校帰り二人で遊んだ
私の好きだったあなたがいた

少しの罪悪感と
少しの喜び

だけど あの日
今までにないくらい
複雑な気持ちになったの
あなたの言葉が痛かった

 
「俺さ、もし彼女いなかったら、今、紗綾に告ってたのにな」

 
どうしてそんなこと言うの
そんな言葉は 全然欲しくなかった

 
 
 
 
時は流れて
18才の春―――

 
高校も卒業して
ばらばらになったのに
あなたは よくメールをくれた


そして あの日
またあなたに誘われて
二人で遊んだ時
 
 
あなたが私に
好きだと言った

 
あなたが私の
彼氏になった

 
 
不思議だね
こんなことってあるんだなって
自分でも 少し驚いてる
 


 
そんな私に
友達がこう言った
  「2年越しの恋なんて ドラマみたいじゃん」

 
 
 
ううん
そんな甘いものじゃない
フツーの恋をしただけ

 
 
だけどひとつ言えるのは

あの日 あなたに恋をしてよかった

 
 
辛い日もあったけど
あなたをあんなに好きになったこと
本当によかった

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